藝苑千禧

art garden millennium

易烊千璽の軌跡

昨晩、過去のネットニュースを探ってたら、こんな記事を見つけました。

www.recordchina.co.jp

『送你一朵小紅花』で千璽と共演した劉浩存(リウ・ハオツン)が、インタビューで「易烊千璽は努力型」と言ったことで、遠回しに「才能がない」と発言したと受け止められて物議をかもしている、という記事。くだらないなぁ~w
劉浩存がどんな意図でこう発言したのかわからないけれど、千璽が努力型でなかったらいったい誰が努力型なんだ?というくらい、千璽の幼い頃からの努力の軌跡は中国の人だったらきっとみんな知っているんではなかろうか。

千璽にハマって以来、昔の映像を漁ったり、記事を読んだり、ネット上の噂を探ったりと、毎日飽きもせずいろんなことを調べ回っています。これがもう膨大で!見ても見ても見終わらない。まるで果てなき世界のよう(汗)。
とりあえずわかったのは、千璽は私が当初思っていたようなアイドルでは全くなかった、ということ。
驚くほど苦労人だし、桁違いに努力家だし、10代の若い身空でこの世の汚泥を嫌というほど見た人だった。
『少年の君』のジョジョ・ホイPの「かつて、彼の良さがわからないアンチからのバッシングがあった。彼は孤独がどんなものかを身をもって経験しているから、主人公のつらさがよくわかるのだと思う」という発言を、「大人気アイドルだったらそりゃやっかみなんかもあるだろうし、売れっ子は孤独だもんねぇ」なんて軽くとらえていたけれど、千璽の生きてきた世界はそんな甘いもんじゃないのでした。

ということで、千璽のここまでの道のりをざっとまとめてみることにします。

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2000年11月28日湖南省懐化市にて誕生。烊千璽という珍しい名前は「ミレニアムを寿ぐ」という意味。中国では4文字の名前は珍しく、ちょっとしたキラキラネーム。「四字弟弟」というあだ名で呼ばれたりもしてる。
両親が共働きで出稼ぎをしていたため、祖父母に預けられて育つが、2歳の頃、ママは手元で子どもを育てる必要性を感じ、仕事を辞め”専業ママ”となり、千璽の教育のために北京に移り住むことに。
以来、10年以上にわたる長い間、ママは千璽につきっきりであらゆるレッスンを受けさせる。お金がないので北京郊外の安い賃貸住宅に住み、中心部まで2時間かけてバスでレッスンを受けに通う日々。
レッスンは、ヒップホップ、ラテンダンス、ひょうたん笛、書道、マジック、変臉(中国古典芸能)…少し成長した後はアコーディオン、タップダンス、競技ダンス、ピアノの演奏と、多岐にわたる。
レッスン日は午前5時起床、午前6時に家を出て、午後11時に帰宅するハードスケジュール。
バスの一番後ろの席に座り、ママの手製の「まな板を改造して作った机」で宿題をし、お腹がすいたら焼きそばを詰めてきたのを食べる。食事も着替えも居眠りもバスの中。ママはすべてのレッスンに参加してメモを取り、レッスン内容をまとめたオリジナルテキストを作って、家に帰った後に千璽に何度も復習させました。
他の子のように友達と遊ぶ時間などはまったくなく、パパの稼いだお金のほとんどはレッスン代に消え、家は貧しく、千璽は好きなおもちゃを「欲しい」と口に出すこともなく、ひたすらレッスンに励みます。時には「レッスンに行きたくない。家でのんびりしたい」と弱音を吐くことも。でも、「今はつらいけれど、未来はきっと楽しいよ。だから頑張ろう」とママに言われると、千璽は素直に従ったそうです。

5歳頃からダンスを中心に多才な子どもとして様々なTV番組に出演しはじめ、レッスンとコンテスト(競技会)とTV出演で多忙になってゆきます。

9歳で「飛旋少年組合」に参加。

10歳でCMの仕事を始め、11歳で「飛旋少年組合」から脱退。
13歳の時、アイドルグループ「TFBOYS」に加入。中国初の純国産アイドルグループとして爆発的な人気を得ます。

しかしながら絶大なる人気、ってのはアンチも多い。千璽は華々しいアイドル活動の裏で、数々のつらい思いを経験していました。これがなかなか強烈。
「TFBOYS」はもともと王俊凱と王源の二人組グループで、千璽は後からダンス担当として加入したのですが、この中途加入を歓迎しないファンが最初からたくさんいたのだそうです。
「どこにでも顔を出してくるあのこまっしゃくれたキノコ頭の子」(それまでの千璽のイメージってそんな感じ?)は、おっとり系の「W王」(王俊凱&王源)の雰囲気とは、相容れないと思う旧来のファンが多かった。
自分の担当だけ応援して、他のメンバーを嫌うファンのことを「唯毒」と言うそうだけど(日本でいう「オンリー」のことだね)、TFBOYSには「W王」だけを応援する「唯毒」が多く、千璽は後から入ったということだけで目の敵にされたのです。
「組合里最丑(グループで一番ブサイク)」「白の中に黒いのが入った(色白のW王と比べて千璽が色黒だったので)」「辞めろ」「アイツいらない」などということを言われるのは日常茶飯事。無視されたり悪態をつかれたり、ネットには誹謗中傷を書かれ、壊れた人形や呪いの手紙が送りつけられることもあったそう。サイン会では千璽の列だけ人が並ばず針の筵であり、TV番組では立ち位置が他の二人に被ったといって番組スタッフから邪険に除けられ、インタビューでは一人だけマイクが向けられず俯き続ける千璽の映像も残っている。家族の悪口、さらには小さな弟のことまで中傷され、次第に千璽の表情から笑顔が少なくなっていきました。
極めつけは2014年11月9日に起きた「1109事件」と呼ばれている騒動。
その日、メンバーの誕生日会に出席した千璽は、帰路に空港で「黒粉」(=アンチ)の集団と出くわしました。アンチに囲まれて面罵され、「とっとと辞めろ」「ムカつく」などと罵詈雑言を浴びせられるという集団リンチの様子は動画に撮影され、拡散されました。迎えに来ていたパパも、空港の職員も勢いにのった集団を止めることができず、千璽を守れなかった。
その時の様子の一部が今でもネットに残っています。千璽の心細そうな表情が痛々しい。まだ本当に子どもなんですよ…こんな小さな子によくこんな仕打ちができたものです。
千璽のファン(”千羽鶴”と言う)はこの日のことを「耻辱日(恥の日)」と呼んでます。

この日以来、千璽の元に一人の頼りになるマネージャーが付きました。
「胖虎(pang hu)」(=ドラえもんジャイアン)と呼ばれるマネージャー(兼ボディガード兼世話係兼友達兼ママ替わり)の優しい大男です。
以来、千璽がいるところには必ず胖虎がいるようになりました。

いつもクールでガードの堅い千璽も、胖虎の前ではリラックスして表情が明るい。大きな胖虎に寄りかかる姿が微笑ましいです。
『少年の君』での陳念に対する小北みたいな存在が、彼にも実際にいたのです。
ちなみに胖虎は『少年の君』の中にもエキストラとして参加してます。

チンピラ集団の喧嘩現場に違和感なく溶け込んでおるw

その後、17歳の時に個人事務所「易烊千璽工作室」を設立します。
「唯毒」の存在がある限り、もはやグループ活動は事実上無理となり(とりあえず解散はしていないながらも)、「TFBOYS」のメンバーそれぞれが個人事務所を設立し、以降は個別の活動が中心となっていきました。

ここから千璽の快進撃が始まり、現在に繋がってゆくというわけ。
そして私の愛しい李必が登場します!李必は千璽の新しい経歴を彩る、最初の美しき造型なのよ。

そして18歳で中央戲劇學院に首席で合格!大学生に。
この頃、木村くんのお嬢さんkokiちゃんと、雑誌「ハーパーズ バザー」の大陸版で表紙を飾り、日本で話題になりました。

宣伝動画


www.youtube.com

 

以上。千璽のこれまでをざっと辿ってみました。


一見華々しく見える経歴も、実際は「よくぞ耐えてここまで来た!」と褒めたたえたいほど苦悩の多いものだったのがわかります。自分だけの力ではどうすることもできない「大人の世界」に投げ込まれながら、千璽は自分にできることを精一杯やってきた。たくさんのことを我慢して、たくさんのことを積み重ねてきた。
現在の千璽を見て、「超金持ちでイケメンで演技派でガチ羨ましい!」って思う人は多々いるだろうけれど、千璽の歩んできた人生を同じように歩める?と聞いて頷く人は皆無でしょう(しかもその時点では未来に何の保証も無かったのだから)。
世の中は不公平なものだけど、千璽の成功は「ラッキー」だの「才能がある」だの言う以前に、苦労して実らせた果実を今ようやく収穫できるようになった、というべきもので、とても公平な結果なのだと思う。

ある時から人前に出ると無表情であまり笑わず、冷たい印象であることが千璽の常態になっていたようだけれど、最近は少しずつそれも変わってきたようです。俳優業での実力が認められ、自信がつくにしたがって、なにか解放されてきたのかもしれません。
「你是一個演員,不是一個偶像」(君はもうアイドルじゃなくて、俳優だよ)。『少年の君』の記者会見で言われた一言に感極まり、千璽は涙をこぼしたといいます。彼にとっては最高に嬉しい言葉だったのだろうなぁ。
千璽は確かにアイドルグループにいたけれど、それはたまたま一時期そこに収まっていただけで、あくまでも途上です。千璽の演技にかける情熱が必死すぎるほどにも見えるのは、人気アイドルとしか見てくれない世間に、どうしても自分の本当の力を認めさせたいという気持ちが大きいからでしょう。それはわずか数本の作品で完全に証明されたけれど。やはり中国は実力社会です。どんなに人気があってもアイドルのままでは軽く見られる。一刻も早く本物のステージに立ちたいと思っていたのだろうな。
千璽はここから自分が本当に進みたい場所に向かってゆくのだと思います。芸歴は長いけれど、実際はまだスタートしたばかり、という感覚でしょう。自信を得た千璽は、これからもっともっと沢山のいいものを見せてくれるはず!それがすごく楽しみです。

以上。私が夢中になっている易烊千璽は、こういったプロフィールの人なのですよ、っていうのを、私目線でざっくり紹介してみました。TFBOYSのファンでも何でもないし、その時代のことなんか何一つ知らんし、私はこれからの易烊千璽を見ていたいだけなのですが、今の千璽があるのは過去の千璽があるからなの。だから切り捨てて考えるわけにはいかない。過去を知ることも、今を知りたいが故なのです。

にわかファンが調べたことですので、間違いも多々あると思います。お気づきの際にはどうかご指摘くださいね。