藝苑千禧

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国家話劇院採用試験を巡る騒動の経緯、顛末と見えてきたもの

巷間を騒がせていた千璽の国立話劇院採用試験を巡る騒動ですが、話劇院からの公式発表と本人の声明により、ようやく終息を迎えましたので、その経緯と顛末をまとめておこうと思います。

バッシングの記憶を掘り返したり記録したりすることでいい気持ちになる人などいないし、要らんことかもしれないとも思うのですが、一方で、このような酷いことがあった、というのをどこかで記録しておかないと、アンチのやり逃げのようになってしまうという悔しさが残りますし、今後、中途半端なネット書き込みを目にした人たちが、この騒動において千璽にわずかでも疑わしいところがあるなどと誤解すると嫌なので、あえて記録しておくことにしました。

それと、自分のTwitterでの至らなさに対する埋め合わせです。
Twitterは、言いたいことを伝えるには文字数が圧倒的に足らないし、いつも焦って投稿しては失敗するし(汗)、アカウントは弱小でいくら書いても世間様には伝わらないし…と、いろんな意味で歯がゆいツールです。ちゃんと落ち着いて騒動を振り返り、あらためてブログに記録しておくことは私自身のためにも必要なのです。このことを「忘れる」ためにもね(どこかにしっかり書いておくと安心して忘れられるので)。

◆事の発端

7月6日、国家話劇院からの公示により、千璽が話劇院の入所内定者に選ばれたことが世間に知れ渡りました。先月、中央戯劇学院を卒業したばかりという新卒の千璽が選んだ就職先が、ここだったということです。

この公示は、「こういった候補者が選考に残りました。精査の上、問題が無ければ採用となります」といった、いわゆる採用前段階の発表です。要するにまだ本決まりではなく、最終発表は7月15日(以降)とのことでした。
この前段発表から最終発表までの10日間が、まさに「地獄の10日間」となるとは、この時には思いもよりませんでした。

◆国家話劇院とはどんなところか?

ちょっとここで、話劇院の説明を。
中国国家話劇院は、北京にある中国でもっとも古い72年の歴史を持つ最高峰の話劇の劇団です。話劇というのは日本でいうところの新劇のこと。規模が大きく、レパートリーも豊富で、年間1000以上もの公演をこなします。
名前からして国家機関のように思えますが、そうではなく、国から一部の経費(助成金)をもらいながら独自に運営される事業団体です。なので、そこに所属しても公務員になるわけではありません。黒字であれば税金もとられるし、助成金も減らされます。現段階では助成金の方がチケットの売り上げよりも多いようです。

所属する俳優は舞台劇を志す人たちが主ですが、映画やドラマなどに出演する俳優もいて、有名どころでは、張豊毅(チャン・フォンイー)、章子怡チャン・ツィイー)、李冰冰(リー・ビンビン)などが所属しています。
所属俳優たちは話劇の公演に出演することが前提ですが、他の仕事などの都合で参加できない場合には代わりに話劇院にお金を払うことで所属を認められます。
章子怡チャン・ツィイー)などは、まったく舞台劇には出演せずに(そのかわりに)お金を払って、所属していましたが、むしろその上納金の額がとても大きくて劇団に貢献していたという話もあります。

◆過激な誹謗中傷のはじまり

千璽が話劇院に合格したというニュースを受けたネット民の反応は、最初の頃は「おめでとう!」「凄い!」というお祝いムードでした。競争率の高い難しい採用試験に受かったことが素直に受け取られていました。
ところが、急に反応が一変。
「これは特権階級だけが美味しい思いをする不公平な待遇だ」と言われ始めます。
同じく中央戯劇学院の卒業生で、千璽とルームメイトだった 羅一舟、胡先煦も一緒に受かっていたことから、「特別待遇が発動されたに違いない」と騒然となりました。(でもなぜかバッシングの標的は千璽のみ。あとでこの謎が解けますが)
「ただでさえ莫大な財産を持ち、高額なギャラをもらっている千璽が、一般人に開放されている数少ない公務員の枠をとりあげ、税金食いをし、鉄飯椀(=食いっぱぐれのない安定職業)を手に入れるなんて許せない!」
「私たちはいつまでも薄給で汗水たらして働かなくてはならないのに、スターはきれいな服を着てにっこりしてれば多額の給料がもらえる。しかもそれは私たちが納めた税金!」
…といった格差社会を前面に押し出した、嫉妬と逆恨みを煽るような書き込みがあちこちで大量に投下されました。
時期的にも、一部の地方での公務員試験が行われるタイミング。ただでさえ公務員になるのは難しく(中国全土の公務員試験の平均競争率は驚きの60倍!)、「鉄飯腕」を手に入れられるのはほんのわずかな選ばれし者のみ、といった現状に不満を抱く人たちを刺激する書き込みで扇動されました。(実際のところ、国家話劇院に所属しても公務員という扱いではないのですが、そこはよくわかっていない人が多いのか、「税金食い」みたいな言葉が多く見られました)

やがて、「入学の選考に不正があった」、「特権を利用して試験を受けずに裏口入学をした」…という話が沸きあがってきました。
「今年に限ってなぜか筆記試験が免除されている」→特別措置ではないか?
「千璽は面接会場に来なかった=面接を受けていないのに受かった」→裏口入学ではないか
「試験後に結果の通知が来ず、採用の進捗がわからぬまま、気がついたら千璽たちが合格者として発表になっていた」→最初から採用が決まっていたのではないか(「「萝卜坑」=特別に与えられたポジション」があったのか)
受験者からの証言などから、これらのことが疑惑の元となり、新たな火がつきました。

この段階では私はアンチの言う事を真に受けていました。
もちろん、千璽が意図的に何か策を弄しているなんてことはないでしょうが、話劇院の側が、人気スターを自分の組織に入れたくて、ちょっと忖度して、便宜を図ったってのはあるのかもしれないと思ったのです。
そして、たとえ相手側の都合だとしても、それを甘んじて受け入れたら千璽にも責任が生じてしまい、結果的には経歴に傷がつくと危惧しました。バッシングを理由に辞退して欲しい!…と願っていました。

さらにその後、募集要項への違反があるとの指摘も出てきました。
要項に「非従業員であること」が受験資格として定められているのに、千璽は数多くの映画やドラマやCMなどに出演している。これは「従業員」の状態とはみなされないのか?という疑惑です。
さらに、千璽の事務所(本人名義の工作室)が話劇院試験の前に登録の取り消し申請をされていることがわかりました。さらに父親の持ち株会社が不正に利益を得ているという噂も囁かれました。遥か昔の高校受験の話まで出てきて「特別扱いで裏口入学をした」とまで言われる始末。
まさに疑惑のオンパレードです。
それらのネタを理由に、千璽がアンバサダーを務める企業に対する不買や批判の攻撃も始まりました。

「まさかそんなことが?」と信じられない思いに戸惑いながら、私は内心怖くてたまりませんでした。
あまりにひどいバッシングの嵐に、私自身、取り込まれそうになっていました。
「もしこれらの噂が全部本当のことだったら…?千璽の芸能生命ってもう絶体絶命じゃないか…」
どうしても不安がぬぐい切れず、信じたくないことも「もしかして…」なんて思ってしまうのです。
そんなとき、中国のファンの方から、あることを教えてもらいました。

これらの「問題」は、全て作り上げられたデマなのですよ、と。

◆「水軍」なるものの存在

今回の騒動の理由を、私は嫉妬や憎しみからきたものなのかと思っていました。
けれど、嫉妬だけでこんなに過激なバッシングになるだろうか?という疑問はずっと私の中にありました。
こんなに酷い誹謗中傷をあれだけの大人数の人がやっているというのはにわかには信じられないし、中国国民の民度を問われる問題でもあります。国民の人数が多いからダメな人も多いのだろうか?などと思っていましたが、そんなことでもなかった。
SNSへの大量の誹謗中傷、ありえない噂、悪口雑言は「水軍」と呼ばれる団体の仕業なのだそうです。水軍というのは、お金をもらって世論を操作する人のことです。
マイナス方向にイメージ操作する人のことを特に「黒水軍」と呼びます。
今回の場合で言えば、お金を出しているのは、芸能事務所や芸能人の個人事務所です。
なぜそんなことをするのか?
理由は簡単です。
千璽の足を引っ張って、今いる位置から引きずりおろせば、そこには代わりの誰か(個人なのか事務所なのかわかりません)が入ることができるからです。全ては商売なのです。
「なるほど!」と、深く納得しました。

千璽のちょっとした躓き(非は無くても、非に結び付けられるネタ)を見つけたら、それはもう引きずり下ろす絶好の商機です。相手はトップスターで、多少過激なことをやったっていいだろ、という堅牢な存在です。容赦なく叩かれたのにはそういった背景があったからです。
千璽は「資源を持ちすぎている(いい仕事ばかりがもらえる)」と言われています。
2000年代生まれの俳優として初の興行収入100億元(日本円で約1,800億)越えを達成し、大手企業の代言人や国家をあげての映画や国の行事などにもまず真っ先に声がかかる若手芸能人のトップに君臨しています。

バッシングを書いている方は実に巧みに、人々の嫉妬を煽るための材料を書いています。読んでいる一般人はその内容で嫉妬心を煽られます。「千璽はズルい」「自分たちの敵」と思わせるように仕向けている。
擁護の声も(ファンがだんまりを決めているので)あまり耳に入らないとなると、なおさらバッシングの内容を真実なのかも…と思ってしまう。その結果、微博のフォロワーが減る、という事態になり、「ほら、みんな千璽のことなんて大嫌いなんだよ」ということが可視化されてさらに真実味を増す…という循環になってゆくのです。

要するにこの大騒動は、「パイの取り合い」ゆえのものなのです。
ある組織が、わざわざやっていることとなれば、あの過激さにも納得がいきます。
それらアンチのアカウントはできたてほやほやか開設後の活動履歴がほとんどないもの(たぶん活動用のアカウントで、一つの仕事が終わるたびにツイートを消しているのでしょう)ばかりです。
普通のネット民が意見を言っているのではないということが明らかにわかります。組織が意図してやっていることだから、そういう様相なのです。

証拠のスクショもいろいろと見せてもらいました。
こんなのを載せて「ほら、ひどいでしょ」というのはガーシーみたいで赤裸々すぎですからやりませんが、アンチ側はあちこちでボロを出しています。ファンの結束は固く、愛と情熱と信念がありますから揺るぎませんが、アンチは烏合の衆で信念がないので、やる事もいい加減で投げやりでボロボロなのです。
流出されたスクショからすると、今回の事件は数十人の芸能人の運営チームが手を組んで仕組んだもののようです。

書き込みの中には、一つ書き込んだらいくら、長文だったらいくら、「脱粉(ファンをやめること)」させられたらいくら…と事細かな料金設定がされていました。
書き込み一つに付きだいたい日本円にして200円~300円くらいもらえるみたいですね。
「千璽のネタだったらもっと高く出せるよ」という書き込みもありました。
そりゃあれだけ熱心に叩きまくるはずです。

今回の水軍は千璽のポジションそのもの(豊富な「資源」も、人気も、事務所の力も、親族の会社の存在も全て)を、根こそぎなぎ倒すまで叩くつもりだったようです。それができる絶好のチャンスだったということですね。

日本には「火のないところに煙は立たない」という諺があります。
けれど、今回の騒動では明らかに「火のないところに煙を立てている」人たちがいたのです。目からうろこでした。

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注:これらのことは、ただ「ファンの人に聞いた」では、確かなソースにはなりません。ファンというのも一種の信仰ですから、過剰な思い込みや偏った見解があっても不思議ではないので。
ファンの方が言う内容をそのまま受け取らず、裏付けになる事柄を探し、自分の中で信じるに足る確固たるものとならなければ、発信するわけにはいきません。
そこに確信を持つまで、時間と労力を要しましたが、ファンやアンチの様々な意見を見極め、どう考えてもファンの方の意見が正しいと判断するに至りましたので、今回ここに書きました。これらは「聞いた話」ではなく「聞いて、私が納得した話」なので、文責は私にあります。

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日本語のTwitterで、ある方(何の偏りも無い普通の中国ツウの方です)がフォロワーさんの「イー・ヤンチェンシーに何があったの?」という質問に答えて、「3つの問題(不正試験の疑惑、就業の要項違反、高校の不正入学)」が上がっていて議論になっている、と詳しく解説していらっしゃるのを目にしました(検索で辿り着いた)。
その解説は正確で簡潔でした。確かにそれらの「問題」があって騒動になってるのです。
でも、その「問題」を「これこれこういうことが問題になっていて…」と解説してしまうと、それが「ある」のが前提となってしまいます。
実際はその「問題」は、どれもアンチが意図的に作り上げたものであり、本来であれば「ない」ものなのです。「ない」ものを「ある」として問題を作り上げている構図に乗ってしまうことそのものがアンチの思う壺となります。
私は、「これはマズい!」と焦りました。
自分一人で納得して安心しているだけではダメだ、放っておいたらこうしてじわじわと間違った情報が(しかも完全に善意の人の手によって)日本語中心で情報を得ている方たちの元に広がってしまうかもしれないと思い、Twitterに次のような文章を載せました。

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7月11日 Twitter
千璽の話劇院採用に関する騒動に関して、私が調べたり、詳しい人に話を聞いて得たところのものをお伝えします。この件に関して不安な気持ちを抱えているファンの方がおりましたら、全然心配しなくて大丈夫ということをまずお伝えしたい。千璽は何一つ悪いことはしてません。

微博で千璽が叩かれている原因は「なに」か、などと説明し始めると、まんまとアンチの思う壺になります。「疑問視し反発されてるのは○○の件に関して」などとSNSでまことしやかにいくつかの事柄が挙げられていますが、それ自体が捏造であり、誤誘導するように仕組まれたものです。

何もないところから何かあるように巧みに情報操作し、巧妙に人心に訴えかけ騒ぎ立てることで、それがあたかも「ある」ように解釈されていくという構造です。巧妙な誘導で、議論をふくらませてゆくと、本当に問題があったような案件に化けるというわけ。

私も最初は引っかかったんですよ。微博での「解説」を信じてしまい(千璽本人とは言わずとも周りが)特権的な行為をしたのだな、と誤解しました。事実無根です。この騒動は千璽に何か原因があって起こったものではなく、そもそもが意図的に燃料が作られ火をくべられたものです。

問題視されていると示された項目は全て実際に問題ないと証明されていることばかりです。
今はアンチの勢力が強くて、あたかも大勢の人たちがブーイングをしているような印象操作ができてしまってるけれど、ファンが静観しているので相乗効果でそう見えるだけのようです。

ファンが静観するのは、自分たちの話や情報を攻撃に悪用される可能性があるからです。話劇院の審査の結果が出るのが今月の15日以降だそうなので、それまで攻撃は続くだろうとのことです。それまでは私もこの件に関して言及するのをやめます。

千璽の進路が正式に決まってからブログの方でまとめようと思ってます。とりあえず今は「千璽に何も問題はない」ことだけお伝えしようと思った次第。千璽の現況を心配する人たちにこのことを伝えたいけれど、いかんせんフォロワーが少ない弱小アカウントなので役立たずな自分が心底、嫌です。

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この時点では、こう書くので精一杯でしたが、本当は「水軍」のことについて触れたかったのです(話劇院の正式な発表があるまではファンは静観するということだったので自粛しました)
このことを知ると知らないとでは、対峙する側の恐怖心がかなり違います。
千璽は何でこんなに憎まれているの…と思うとすごくツラいですが、お金のために煽られているだけ、とわかれば、構図が単純で「な~んだ」という感じになります。ただし、安心するのは構図の単純さだけで、実際の罵詈雑言には怒り心頭で到底放置はできないですが。

微博を中心に展開されていると思っていた騒動は、やがてTwitterにもやってきました。
誹謗中傷、嘘、デマ、ファンへの煽りなど罵詈雑言は多種多様。
私の投稿にもアンチからの攻撃的なリプがつき、片っ端からブロックしました。
ファンの方から、「相手にしちゃダメ。全部、即ブロックでいい」と言われていたので、反論したい気持ちをグッと抑えて無視に徹しました。相手はただ機械的に書き込んでいるだけなので、議論の余地などないし、相手にする時間ももったいないのです。
けれど、さすがに命にかかわる罵倒は許すことができず、それらはTwitter社に報告しました。
が…削除されるでもなく、警告されているようにも見えない。「報告」に何の意味があるのやら?という感じで、Twitter社に対する不信感も増しました。
大手新聞系サイトにもガッカリでした。
これは日本でも似たような状況ですが、大手情報サイトがTwitterでの話などをろくに調べもせずニュースとして載せてしまう、ということが普通にあるのに驚きました。
「千璽が張藝謀の作品『満江紅』を降ろされた」というニュースが出た時はかなり焦りました。たとえ千璽に何も非がなくても、騒動の元になる俳優を使うのは厄介だからという理由で降ろされる場合だってあるわけですからね。それが新聞系のサイトに載ったので、これはもうホントにダメかも…と思いました。
同時に、張藝謀が資金作りのために急遽、家を売った、などという話もまことしやかに報道されました。
けれど、これらはいずれも全くのガセでした。
出どころは真偽のほどもわからない微博での個人の書き込みです。バカバカしいったらありゃしません。

◆話劇院からの公式発表

7月16日。やっと話劇院から公式発表がありました。
採用される候補者は、すべて学問的および職務要件を満たしていたということと、候補者は、非従業員の基準を満たし、どの企業とも労働契約に署名していないと発表されました。つまり千璽の仕事は、その都度作品に参加してギャラをもらうという形なので、「(会社組織における)労働契約」にはあたらないのです(そのことは最初から指摘されていました。アンチが無理やり煽っていただけです)。
騒動の疑問点となっている不透明な試験の部分に関しても言及されていました。
コロナの防疫管理の関係で、面接試験が対面でのものと、オンラインでのものとが混在してしまったこと、そして試験通過者にのみ連絡をし、不採用者に対する連絡をしなかったことで受験者を混乱させてしまったとし、以後このようなことが無いよう対処する旨が述べられました。

中国国家话剧院关于2022年应届毕业生招聘有关情况的说明-中国国家话剧院

 

◆疑惑の対象となったその他の事柄について

話劇院の採用試験に関しては、公的機関の正式な発表という形で疑惑は全て払拭されました。
残るいくつかの疑惑について説明をしておきます。

まず、高校入試の件。
千璽は仕事の都合で初中を北京化工大学附属中学で過ごし、後に地元の湖南省での世帯登録により、故郷に戻って高校入学試験を受け、湖南普通大学付属梅渓中学校に入学しました。
その際の試験方法にズル(特別扱い)があったという声が上がったのはかなり以前のことですが、今回「不正入試」のワードに絡めて蒸し返される形となりました。
この件に関してはすでに完全な言いがかりだとして、学校側から不正は一切なかったという丁寧な回答が出ていますし、多くの地元の人たちも自発的に釈明しています。
千璽の事務所は訴訟のための弁護士書類を公表するところまでいったそうですが、実際に訴えるところまでは至りませんでした。
千璽はなるべく訴訟などはしたくないと考えているようですが、それは裁判に自信がないからでなはなく、事件化させたくないからで、自分のためというよりも相手のためを思ってのことです。何もないところをつついているだけの人がいて、千璽が不快に思っても実際はなにも無いままですが、訴えれば事件となり被害者と加害者が生まれます。そのことを千璽は忌避しているのです。以前も訴える手続きを途中までしたのに、相手が未成年と聞いて訴えるのをやめたことがあるそうです。
親族の会社のことも、きちんと公開資料を読めば明らかに不正ではないとわかることを捻じ曲げてデマを流されています。誰もが元資料をあたるわけではないので悪口は簡単に浸透します。千璽がいくらのギャラをもらっているのか誰も知りませんが、稼いでいることは誰の目にも明らかなので、妄想を呼ぶには事欠かないのでしょう。
ファンの反論などもありましたが、それらの書き込みが浮上しないように操作もされていたようです。(いいねの数も買われているということです)
それと、千璽が自分名義の事務所の登録を取り下げたのは、採用試験に向けての単なる準備にすぎません。話劇院に入るとしたら兼業が禁止されているので、どのみち自分名義の工作室は閉じなければならなくなります。なので前もってその申請を出しただけのことでした。(どのみち名義を変えた方がいい理由は他にもいくつかあるようです。例えば、様々な個人情報が漏れやすくなっている状況を変えるため…など)

とにもかくにも、不正も疑惑もなく(もともとなかったのですが)、今や何も千璽を阻むものはありません。大手を振るって話劇院に入ることができるようになりました。
「ああ、とうとうお芝居の人になっちゃうのかぁ…」などと少し寂しく思いつつ、でも千璽の願いがかなったことを祝福する気持ちでホッとしていたところ、本人から驚きの声明が発表されました。

◆千璽の声明全文

こんにちは、千璽です。
最近、私が国家話劇院へ応募したことで、多くの論争を呼びましたが、まずは私を気遣い、支持し、批判してくださった皆さんに心よりお詫び申し上げます。
説明が遅くなったのは、問題の進展の方向性と範囲が、私が明確に説明できる範囲を超えており、公式な結論が出るまで、私は説明する立場にありませんでした。(声明を出さなかったのは)罪を逃れようとしたり、先延ばしにするためではありません。
国家話劇院に入ることは多くの中劇学生の夢であり、私も新卒者として例外ではありませんでした。
卒業する前、私は先生方や同級生に、より包括的な向上と探求のために、話劇院の神聖なホールに入るのを熱望していると話しました。そのうえで、一人の若者として、常に新しい目標を設定し、人生の様々なステージで自分の枠を広げ、現状に甘んじることなく、自分の中の可能性を探してみたいと思ったのです。
正直なところ、カメラを見るたび緊張して恥ずかしがっていた子供が、いつの日か俳優になって、さまざまな役割を演じるようになるとは思っていませんでした。
私は皆さんに愛されたおかげでこのように成長したので、もっと上達したいと思ったのです。
そのような意図のもとで、私は国家話劇院の試験に申し込みました。試験の全過程で、募集通知と審査要件を遵守し、4月14日、4月25日、5月2日にそれぞれ3回の試験を受けました。 3回目の試験は当初対面で行われる予定でしたが、北京でのコロナ流行により、防疫管理の理由で対面での試験が受けられなくなってしまいました。そのため、話劇院の同意のもとに、5月2日の午後3時31分に、話劇院の統一オンライン試験を受けました。その過程で、私は話劇院の教師と「萝卜坑(誰かのために作られたスペシャルなポジションのこと)」について交渉したり、立場を取得するためにいわゆる「ショートカット(裏口入学)」を使用したことはありません。

私が沈黙していたこの数日間、多くの流言蜚語が「易烊千璽」を徐々にぼやけさせ、あるべき「人のかたち」が失われてゆくようでした。公人としても個人としても、この「歪み」に大きな不安を感じました。
あらゆる根拠のない噂や家族に関係するデマには、今までにない理不尽と恐怖を感じたことを認めなければなりません。このツギハギだらけの「易烊千璽」は、過去と現在においての私ではないし、ましてや将来の私でもないことは明らかです。
業界に入ってからずっと皆さんに良い影響を与える存在でありたいと思ってきましたが、今回、その意図に反し、私の行動が皆さんに不快な思いをさせ、憧れの話劇院にも影響を与えてしまいました。これは私の最も望まないところのものです。
もうこれ以上皆さんに迷惑をかけないために、よく考えた結果、話劇院へ入ることを辞退することにしました。けれど、機会があればこれからも演劇の分野で学び、上達していけたらと思っています。
最後になりましたが、今回の件で心を痛められた方々に改めてお詫び申し上げますとともに、私を信じてくださったすべての方々に感謝申し上げます。
2022年7月17日

注:先日、Twitterにアバウトな訳を急いで載せましたが、見直すとボロボロでした(汗)。申し訳ありません。こちらではきちんと原文を精読して丁寧に訳しました(それでも限界はありますが…そりゃもう私の能力の問題なのでお許しください)。

 

以下原文

この声明を聞いたとき、千璽には申し訳ないけれど私は心の中で嬉しく思っていました。私もそうですが、実は中国のファンの方たちも多くの人が「実はこの結果を悪くないと思っている」ようなのです。話劇院に入ることを望むファンはあまりいなかったのかもしれません。
でもみんな、「千璽がそれを望んでいるのであれば叶えてあげたい」と応援していたのです。真面目に演劇の勉強をしたかった千璽にとっては、気の毒な結果になってしまったのかもしれませんが、辞退したことで自由の翼を得た千璽は、さらに遠くへ、大きく飛躍することと思います。期待しかありません。
これで本当に、何一つの不満もなく元通りの千璽が帰ってきてくれたという気がしました。
最初の頃の「なにもかもなくなるかもしれない」という不安な気持ちからしたら、驚くほどのソフトランディングでした。

今回の騒動は私にとっては初めての体験で、心底疲弊しましたが、中国ではこのようなこと(理不尽なバッシング)はよくあるようで、騒がしいのは主に微博などのSNSの中だけであり、普通の社会生活の中ではこんな騒動は起こっていないし、どこ吹く風であり、ネット民も嵐が過ぎれば誰もがすぐに忘れてゆくようです。
今回の騒動は、話劇院からの説明や千璽本人の声明が出るほど深刻で危機的な騒動に発展してしまいましたが、根本的には「根も葉もない中傷」が肥大化したにすぎません。
千璽本人に何か問題があったわけではない。
やっている方もアンチというよりは、目的があって動いている集団です。思いっきり足を引っ張られているけれど、それも単なるパイの取り合いであり、競争社会の宿命です。もしかしたら千璽が憎まれたり嫌われたりしていることさえ幻なのかもしれません。

実のところ、千璽は証拠を並べて、「ほら、全部問題なしでしょう」ということもできるのですが、結局、何も言わず、「ご迷惑をおかけして申し訳ない」の一言で事態を収束させました。
素晴らしい対応と言えますが、こういった本質を誰よりもわかっている故なのかもしれません。だから千璽は、アンチの考えなど気にしないし、影響されないのです。
超然としたその姿勢のなんと尊いことか!小さな頃からこの特殊な世界で生きてきて、こういった波をかわすのはたぶん誰よりも経験値が高いのでしょうね。それもまた彼の(汗と涙で得た)財産であると思います。年が若いので、バッシングを浴びていると可哀そうで見ていられない気持ちになり、ファンは思わずベイマックス化してしまいますが、千璽はきっと私たちが思うよりずっと逞しい。アンチなどとは精神性のレベルが違う。もっとそのことに信頼を置いてもいいように感じています。

まだたくさんの誹謗中傷がネット上に渦巻いていますが、私はもうそれを追うことはしません。
千璽には何も関係がないことだから。
そこに彼の名が使われていても、気にすることなど何もないのです。千璽の姿だけを追っていきます。

千璽は今回の騒動の影響はあまりうけてなく、張藝謀の映画の撮影は順調に進んでいるとのことです。
完成した作品を早く見たい!
千璽の素晴らしい演技を再び見られる日が待ち遠しいです。
あの輝かしく希望にあふれた卒業の日に戻った気分で、千璽が進むこの先の道が光に溢れていることを祈っています。